
催眠・内観・交流分析・ゲシュタルト等の心理療法を駆使して1,500件以上の臨床を手がけた、荻清尊(おぎきよたか)先生が実例を織り交ぜて性格と心の病気の関係などを語ってくださいます。荻清尊(おぎきよたか)先生は、1930年久留米市生まれ、1973年に西日本心理療法センターを開設。独自の心理療法を開発する一方、有数の企業で企業内教育、市民大学講座等で広く講演をおこなうなど、幅広く活躍されています。
秋葉原でおきた殺人事件やその他の多くの通り魔事件をみると、必ずと言ってよいほど共通点があります。
その一つは両親の不和、二つ目は親の心の傷(劣等感や不幸感)、三つ目は親子の反目、そして子どもの孤立(こころを許せる友人がいない)などがあります。
秋葉原の犯人の親は、自身の受験が失敗した劣等感から、子どもにその穴埋めをさせるために、私が希望する学校へ進学せよと強要し、「私が考える通りにしろ!お前が考えるようには考えるな!」と犯人の心を押さえつけていったようです。
このような「考えるな!」という親からの禁止令を受け取った子どもは、「おれはバカだ」「自分の頭で考えることができないのだ」「集中力が全くないのだ」と決断するでしょう。
しかし子どもは成長するにしたがって、「自分は何のために生きているのだろうか?親しい友人もいないし、社会にも溶け込めないので、生きていることがちっとも面白くない」と思うようになっていく。
周りを見渡せば、親子仲良く楽しく生活している家庭がある。
また同じ年代の若者が、恋人と仲睦まじく歩く姿を見ると、「自分は不幸だ!ダメだ!」と絶望感がわいてくる。
そしてその絶望感は、次第に羨ましい気持を強いねたみへと変えていく。
そして「自分だけが不孝なのは耐えられない!みんなを不幸にしてやろう!」と決断するかもしれません。
こうして通り魔事件がおきるのです。
犯人は「だれかに自分を止めて欲しかった」と犯行後に言ったそうですが、だれかが犯人の苦しみを受け取り、彼の心を癒すことが出来ていれば、このような悲しい出来事はおきなかったと思います。
私のところには、ひきこもりから立ち直れない、死にたいとか、社会に溶けこむことができないといった相談が多くあります。
その中から一つの例をあげてみましょう。
ある秋の雨の日に20才位の男性が相談にこられました。
彼は席に着くなり黙って一枚のメモを差し出しました。
読んでみると、「自分は高校1年の入学式に出席した翌日からずっと家にひきこもり、友人もいないし、家では一人でゲームをしたり、たまに近所のコンビニへ出かけることがあります。
最近父から働けとやかましく言われるので、やっとの思いで就職の面接に5回行ったが、どこも採用してくれない。
もう自分はダメだ。
「死にたい」と書いてありました。
彼の生育暦を尋ねると、下をうつむいたままボソボソと小さな声で、自分は一人っ子で、小学3年生のとき両親が離婚をして母親に引き取られ、中学1年生のとき母が再婚をして、その義父が母の見ていないところで、何で働かないのだと殴ったり足でけったりする。
そのことを母に訴えると、それはあなたが悪いのよ、お父さんの言う通りにしなさいと言うだけです。
そして数日前に母がここへ相談に行ってみたらと教えてくれたので来ましたと話してくれました。
また、彼は小学4年の頃から中学卒業まで学校でいじめられ、必死に頑張って学校に通ったが、中学を卒業したときに、全身の力が抜けてしまってどうにも高校へ通うことができなかったと話しました。
母親は、常に「私やお父さんの言う通りにしなさい!「母親あなたは考えなくていいの!」と言うそうです。
このようなことが解かったので彼を催眠に導入しての言ったことは間違いだ。あなたは考え問題を解決できる」と繰り返し暗示の言葉を入れていきました。
また、新聞や雑誌を読んでそれに対する考えを書く練習を続けました。その後、母親に来てもらって、部屋を別に借りて親と別居するようにしました。
このようにして彼は次第に考えて意見を述べられるようになりました。
現在はあるうどん屋で元気に働いています。
将来は調理師の資格をとってお店を持ちたいとの希望を持っています。
| 記 事 |
西日本心理療法センター
福岡市中央区渡辺通り5-25-15 チサンマンション209号
092-713-1563
荻清尊(おぎきよたか)先生
(投稿日 : 2008/7/4(金) 14:51 CHIKA。.)

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