
中村 雅和(Nakamura Masakazu)
いのしし社会保険労務士事務所所長。公務員として法律実務20年の実績を引っ提げ、社労士・ファイナンシャルプランナーとして独立開業。就業規則、企業のメンタルヘルス対策のスペシャリスト。(投稿日 : 2009/3/30(月) 11:03 中村 雅和.)
いのしし社労士と闘うあぱ子さん
係長として営業課に異動することになったあぱ子は、いのしし社労士に電話しました。
「相談には乗れません」
「えっ?」親身になってくれると思ったあぱ子は耳を疑いました。
「私は会社と契約した顧問社労士です。社員から直接、相談を受ける立場にはないんです」
そのとおりです。彼は会社の方針に反するアドバイスはできないのです。あぱ子は
「そうですよね。すみません、ヘンな電話して」と言うと、
「まあ、話だけなら聞きますよ。会社には内緒ですよ」
自分の仕事を評価されてうれしかったこと。経験のない部署に責任ある立場で異動する不安。総務や人事の仕事へのこだわり。そんな話を切々と訴えました。
一通り話し終わると、
「あぱ子さん、答えはもう出てるじゃありませんか」
「えっ?」
「会社は営業課であぱ子さんに何を求めているのですか?」
社長は営業課社員の働き方を変えて欲しい。そう言っていた。
「今までの仕事と何も変わらない。ステージが変わるだけですよ」
「でも、私一人で出来ることじゃないし…」
「あぱ子さんの今までの仕事は、社員みんなが知っています」
助けてくれる人はいっぱいいる。何より会社がそれを求めている。
「きれい事じゃなく、働き方を変えなければいけない時代なんですよ」
今までの経験を生かすことができるかも!あぱ子は決心しました。
次の日、あぱ子は再度、社長室に。
「ひとつだけお願いがあります!」
「はい、何でもどうぞ」
「社会保険労務士の資格を取りたいんです」あぱ子は微笑みながら言いました。
「今までの経験に専門知識を加えて、働くみんなを支えたいんです」
「わかりました。雇用保険から教育訓練給付金が出ると思いますので、いのしし先生に相談します」
次のステップに向けてまた突っ走ることになったあぱ子。後日、それを聞いたいのしし社労士は
「あぱ子さんが資格を取ったら、もうこの会社に自分は要らないな」
と、寂しそうなうれしそうな複雑な笑顔を浮かべました。


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