
中村 雅和(Nakamura Masakazu)
いのしし社会保険労務士事務所所長。公務員として法律実務20年の実績を引っ提げ、社労士・ファイナンシャルプランナーとして独立開業。就業規則、企業のメンタルヘルス対策のスペシャリスト。(投稿日 : 2009/3/23(月) 10:36 中村 雅和.)
いのしし社労士と闘うあぱ子さん
vol.17あぱ子、最大の危機!(上)
突然、会社が倒産し、失業したあぱ子。ここアビキュー商事に採用され、早3年が経ちました。仕事にも慣れ、総務課唯一の女性として会社の女性の星となり、「相談するなら、あぱ子さん」とのイメージも定着。毎日、楽しく仕事をしていたあぱ子でしたが、ある日社長から呼び出されました。総務課長も同席しています。
「今の仕事は楽しいですか?」
「はいっ!みんなからも頼りにされるし、とてもやりがいがあります」
「そうですか…」
「?」
「あなたの仕事ぶりはとても評判です。社員の面倒見もいいし、実は来月から係長になってもらおうかと思っています」
あぱ子は驚きながらもうれしく思いました。しかし社長の次の言葉に体が凍り付きました。
「ただし部署は異動してもらいます。営業課です」
営業課。花形部署で、男性も女性も生き生きと仕事をしています。しかし総務課で見ている限りでは残業も多く、経費も無駄に使われているように感じていました。
「そうなんだよ。営業課は仕事はきっちりしているし、業績も伸ばしているけれど、みんな無理をすることが多くて今のままでは体を壊したり、うつ病になる人が出てこないか心配なんだ」と総務課長。
「あぱ子さん、あなたが営業課で係長として、みんなの意識を『ワークライフバランス』の観点で変えていってくれないか」
あぱ子は何も言えず部屋を出ました。異動。係長。営業課。経験したことのないことばかりで、不安が募ります。ふと頭をよぎったのは、いのしし社労士でした。節目節目で現れるあの社労士なら、何かいいアドバイスをくれるかもしれない。
あぱ子はいつも掛けている携帯番号をダイヤルしました。
呼び出し音もそこそこに、すぐ、
「はい、いのしし事務所でございます」といのしし社労士の声。
あぱ子は
「もしもし、あぱ子です。ちょっと個人的にご相談したいことが…」
「例の件ですね。聞いてます。残念ですけど、相談には乗れません」
「えっ?」
(つづく)


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