
日野光里〈Hino Hikari〉
◆子供が2歳のときにパートを始めて6年勤めた後にマンガやゲームのシナリオライターとして独立し、現在は専業主夫家庭の大黒柱。
◆著作/ソフトバンククリエイティブ社刊「ホームズ・ツインズ!」九天社「マチともの語り」など。
◆新作ゲームはケータイアプリ「ヒルズの恋人」、【モット恋愛主義】にて配信の「レスQ」
◆産業カウンセラー、THP心理相談員、キャリアコンサルタント資格を有し、働き方の講演なども行う。
再就職への道
私の子供は本当によく泣く子で、何をしても泣き止まずに途方にくれながら子育てをしてました。保育園に預けだしてからも、保育士さんたちから感心されるくらいにド根性で泣いてましたから。
まあ、おかげで保育園に預けるのに泣かれても、「もう~、またまた~。ママが抱っこしても泣くくせに~」という感じで、泣いてるから辛い別れになるということはなかったのですが。
この赤ん坊から幼児時代は本当に私の中では黒歴史。
先日も、友達と小さい頃の育児の辛さを語り合う機会がネット上であったのですが、みんな苦労していて、痛みがわかりあえた貴重な時間でした。今はそういうことで先輩ママと気軽にふれあう機会が多くなったと思います。
が、私が働き始めた頃はまだネットでのそのような場も少ない時で、働かないままだったら子供とずっと家に閉じこもりっぱなしになっていたかもしれません。それが働きに出始めて、先輩のワーキングママの人と一緒にいると、いろいろとなぐさめてもらえるんですよ。
今でも覚えているのが、「今だけだからね」と、よくいわれたこと。
当時の私は連休が大嫌いでした。ゴールデンウィークなんて、なくなってしまえってな感じで。
だって、働きにいけないから、ずっと家で娘とふたりっきりになるんですもの。相当、煮詰まります。
そう思っていることを大会議室でのお昼ごはんタイムに打ち明けると、やっぱり励ましてもらえました。
この時に「母親なのに、そんなことをいうなんてヒドい!」とでもいわれたら、死にたくなったでしょう。こんな言葉、追い詰められた母親の毒にはなってもクスリにはなりません。
でも会社の先輩ママたちは、今だけだから、といってくれました。
「今は本当にきついだろうけれど、あとちょっとだからね。もう少ししたら、小さい頃のことを思い出してなつかしいと思える日がくるからね」
長く暗い子育てのトンネルの先に、ぽっと火が灯った瞬間です。
暗闇の中、先が見えない子育てでしたが、働き出したことによって先人の背中がハッキリと見えるようになりました。そしてその先輩ママの言葉は信用できたのです。
だって、見ず知らずの人じゃなくて、一緒に働く信頼できる同志からの言葉だったのですから。
「永遠に続くわけじゃないっていってるんだから、もう少し頑張ろう。我慢しよう。今だけなんだから」
当時はまだ半信半疑だったこの言葉の意味が、今の私にはわかります。
あの頃、本当にブルーになっていた子育て時代を私はやっぱり懐かしく思い返しています。
時間が経たなければわからないことってありますよね。そのことも踏まえて、「今はわからないだろうけど、きっとくるから。私達もそうだったから」という言い方をしてくれたので、私の中にはすうっと入ってきました。
言葉によって救われるということはあります。
そして、今子育ての真っ只中にいて、同じように悩んでいる人には同じ言葉を送りたいです。
「今だけだからね」
(投稿日 : 2008/5/26(月) 16:31 日野光里.)
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